■RINK_001_クライマックス□

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ベッドで眠るジンギの手元にはゲーム端末のコントローラー・・・。 -ピクッ- ジンギの人差し指が動く・・・。 パッと目を開けるジンギは 家電量販店で大量生産されている電子時計の時間を見る・・・。 <6:59:57> <6:59:58> <6:59:59> <7:00:00> 0.3秒の間が空き -ピピピピピピ- 部屋中にアラームの音が鳴り響く。 僕は必ずアラームがなる3秒前に目が覚める・・・完璧な体内時計だ。 たまに無意味な目覚まし時計を捨てようか迷う。 だが、それでは友達と言う人間が家に遊びに来た時に 普通じゃなくなる。 普通を演じる事をモットーとしている僕にとっては無意味な目覚まし時計も 普通を演じる上で重要なツールの一つだ。 ちなみに僕はたまにわざと遅刻をする・・・ 普通の高校生は皆遅刻をするからだ。 ジンギはゆっくりと起き上がる -ギギ・・・- きしむベッドのバネ。 そして小学生の時から使っている黒のカーテンを窓面積の30%程開ける・・・。 黒にした理由は汚れが目立たなく、朝日を遮(さえぎ)るのに徹しているからだ。 -シャ・・・- 僕は差し込む朝日に目を背ける。 すぐに太陽の光に目が慣れた僕の視線には いつものハトがベランダの手すりいる・・・。 見慣れたその光景に僕は見向きもせず 僕ははハンガーにかかっている制服と、 母親が洗濯したワイシャツと靴下を見つめる。 そして一言ポツリとつぶやく・・・。 「現実世界は・・・面倒くさい」 今日は 今学期最後の登校日だ。 今日も何も変わる事なく生きる・・・普通に・・・普通に。 だが、この普通に生きる今日が 僕の人生で一生体感する事のない・・・ 「1年間の夏休み」の始まりだった・・・!。
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