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「……仕方ないなあ」
短くため息をついて、後を追うことにする。
あまりの強引さに呆れながらも、僕は不思議と青空に似た開放感を感じていた。
思えば、今まで散々屈折してきたのだ。
そろそろ突き進んだってバチは当たらないじゃないか。
不運を積み重ねてきた僕の人生に、こんな突破口があったって良いはずだ。
これからどうなっていくのかは、まだ分からない。
依然として職はないままだし、やるべきことは山のようにある。
彼女ほど楽観的ではないけれど……
それでも、僕は知っているのだ。
青い光に満ちた空が、どの色よりも美しいということを。
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