NDB─彼女に待つ未来

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** 俺とゴルグの決戦という名のデュエマは、大きな局面を迎えていた。 「無色カード、《「無情」の極 シャングリラ》を召喚」 ゴルグが召喚した無色の大型進化クリーチャー。 『鍵』のカードの力を最大限発揮させたという強力な切り札を前に、俺の最大の切り札であった《最凶の覚醒者デビル・ディアボロスZ(ゼータ)》を倒されてしまう。 さらにその攻撃による衝撃で吹き飛ばされてしまった俺は『闇のゲーム』による壁に叩きつけられ、意識が明滅するように弱まってしまう。 「篠槙さんっ!!」 しかしその時、最奥の部屋に入ってきたエリーナが、倒れてる姿を見かけるな否や俺の名前を叫んだ。 その声を聞き、俺は何とか意識を繋ぎ止め立ち上がった。 「ククッ、そうでなくてはな。吾の前まで戦い残ってきた貴殿は、この程度ではまだ終わらぬはずだ」 ゴルグは俺を見て含み笑いをする。 新たに部屋に入ってきたエリーナには目もくれない。 最早、興味もない存在なのか……あるいは。 (いやいや、そんなこと考えてる余裕なんてない。《シャングリラ》の攻略法を探すんだ!) 俺は余計な思考を振り払い、目の前の状況をしっかりと意識を向けるのだった。 ── ─── ──── このデュエルは吾、ゴルグ=ラインソールの手のひらの上だった。 篠槙羚の切り札《最凶の覚醒者デビル・ディアボロスZ》は、吾の切り札《「無情」の極シャングリラ》には無力であったからだ。 その構図が無事描ききれた以上、吾の勝利は確実――の筈であった。 しかし、一つだけ誤算があった。 まさか原初の『鍵』のカードが、サブスタンティアティが手に入れたかった悲願の力のその一端が、篠槙羚に手を貸すとは思わなかった。 それによって一時的に変化した原初の『鍵』のカード──《奇跡の覚醒者ラスト・ストームXX(ダブルクロス)》の能力を駆使し、吾はダイレクトアタックを決められ、デュエマに敗北した。 (だが……吾が負けたところで貴殿らに勝利などないのだ……っ!) 吾はここで『闇のゲーム』の死の呪いにより絶命するだろう。 だが隠し部屋には新たな力『復讐の聖戦(ヴェンデッタ・ゲーム)』を携えた部隊が控えており、吾の願いは、意志はエリーナが引き継ぐ。 エリーナ=ラインソール。 吾が求めた完璧な傀儡。 此奴がいる限り、吾の悲願が途絶えることはないのだ!!! 「ゴルグ=ラインソール……私たちの勝ちです」 そうだ、それでいい。 貴殿はレジスタンスの一員としてのスタンスをまだ続けるのだ。 隠し部隊が奴らを襲い次第、紛れるように身を隠し、サブスタンティアティの影の支配者として我が悲願を成就させるのだ。 しかしエリーナは、吾の忠実なる人形である筈の少女は、吾が全く想定していない言葉を口にした。 「──伏兵の方々なら来ませんよ。私が全て撃破しましたので」
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