NDB─初めて過るその想い

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その後、篠槙さんは瑞稀さんから《奇跡の覚醒者ファイナル・ストームXXNEX》を借り受けまして、ユリアースさんたちの救助に向かいました。 篠槙さんの復活により、活力を取り戻した私たちもこのままではいけないと発起し、部屋から脱出することで意見が固まりました。 全員で同時に施錠された扉にぶつかることで、私たちは部屋を出ることが出来ました。 十数回の『闇のゲーム』を連続で行い続けた影響で、心身共にボロボロになっているユリアースさんとノルさんを後ろに下げ、私と成音さんが前に出ました。 本来、二人の応急処置は私が行うべきなのでしょうが、今この時は『組織』と相対したかったのです。 今ある自我が、私をそうさせたのです。 そして莉実さんと再びデュエマをすることになった篠槙さんは《時空の封殺ディアスZ》と《ファイナル・ストーム》が合わさった奇跡のカード、《最凶の覚醒者デビル・ディアボロスZ》を使い、勝利しました。 更に続くようにレルードゥさんと対戦していたハラマさんも勝ち残り、私たちが相手をし続けていた構成員たちは戦意を喪失しました。 篠槙さんの言葉で全員がこの場を去ることで、私たちは危機を脱することが出来たのです。 莉実さんとの激闘で消耗した篠槙さんは数日の間、養生することとなり、レジスタンスの医療を担当している私が当然ながら面倒を見ていました。 しかし、やはり時間と共に私の中にある自我は、ゴルグによって埋め込まれた人形としての私に飲み込まれつつありました。 彼の傍にいると、自然と微笑んでしまいそうになるのを必死に抑えつつ、私は操り人形で有り続けようと演技を続けてしまっていました。 そして私は一つの考えを、彼に対して実行しました。 「私は……篠槙さんの事をお慕いしています……っ!」 告白したのです。 彼は身内によって一度殺されかけました。 つまり、身近な人間が敵に回るかもしれないという考えを手にしてしまったのです。 そしてそれは、元々『組織』側の人間であった私に疑いを向けられる可能性は十分に高い。 ですから恋愛感情というシンプルな信頼の証を彼に示すことで、その危惧を潰そうと考えたのです。 実際、篠槙さんは頬を赤くして慌てているのが分かりました。 これなら大丈夫そうです、と分析する一方、 私の頬も、僅かに熱を帯びているような気がしていました。
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