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「超次元ゾーンだって!?」
隆侍は驚きつつ、慧の言う事に従って相手の超次元ゾーンをタップする。
そこに表示されたカードの中には、一枚だけ稲妻模様が描かれていないものがあったのだ。
「《星鳥ヴィオラ》……。召喚する代わり「超次元ゾーンに行き、超次元ゾーンにある間、能力を発揮する『スター・ウォーカー』か……」
(聞いたことのないカードだ。慧の反応からしても……と、言うことは……)
画面に表示された《ヴィオラ》のカードを読んでいる慧の様子を横目で見た隆侍は、一つの推測を立てる。
「相手のデッキ……フューチャー・アームズなのか?」
「その可能性は高いな」
コロッセオ内で誕生するオリジナルデッキ、フューチャー・アームズ。
しかし本当に相手が持っているのがフューチャー・アームズならば、疑問点が幾つかある。
(でも、それなら何故相手のデッキはネット対戦ツールで使えているんだ)
隆侍のデッキは陽毬がデータを入れてくれたから使えるようになった。
無論、存在を知らなかった相手のデッキがデータとして入っているハズもない。
(それだけじゃない。フューチャー・アームズを持っているなら、Protection Warrirosが見逃すハズもない)
陽毬は未だ仲間と連絡を取り、情報詮索を続けている。
既に把握している人物だったのなら、すぐにでも言ってくれるハズだ。
「もしかしたら……」
「ああ……同じ事を考えていた」
慧と隆侍は同時に頷く。
相手のデッキがフューチャー・アームズではない可能性。
彼らはそれを一つしか知らない。
ヒミコが持っていたフューチャー・アームズとは異なる謎のオリジナルデッキ。
対戦相手もそれなのではないかという可能性だ。
「益々、対戦を終わらせるわけにはいかないな。隆侍、何としても足を掴むぞ」
「ああっ!」
ヒミコに関する情報が得られるチャンス。
隆侍は慧の言葉に勢い良く同意した。
(2マナで使うのは、《エマージェンシー・タイフーン》だ)
デュエマに意識を戻した隆侍は2マナで呪文をプレイする。
自動処理によりカードが二枚引かれたので、隆侍は手札から一枚選んで墓地に送った。
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