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何故そんな限定的なスペックのクリーチャーのみの指定なのが疑問は残るが、選べるのが一体しかいないという謎は分かったので、隆侍は小ウインドウにあるカードを指で押し、バトルゾーンへと出した。
「《ルナ・ブルーダイナソー》。効果で一枚ドローできる」
「ターン開始のドローと合わせれば二枚になるな」
《ゼリア》の能力はまだ謎が尽きないが、ここはありがたくカードを引かせてもらった。
そしてマナチャージをし、手札のあるクリーチャーをタップして召喚を行った。
「お、新しいやつだな。《アガタルキデス・リプル》か」
デッキを渡した陽毬は知っているカードだが、まだ対戦で出したことはなかったので慧は初めて見るクリーチャーだった。
アガタルキデス・リプル
水文明/2マナ/サイバー・ムーン漣/1000
自分の文明が水のみのクリーチャーを召喚するコストを1少なくしてもよい。ただし、コスト0以下にはならない。
自分の文明が水のみの呪文を唱えるコストを1少なくしてもよい。ただし、コスト0以下にはならない。
相手は水以外の文明を持つクリーチャーの能力または呪文によってクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
水単色限定ではあるが、クリーチャーと呪文の両方を軽減してくれるサイバー・ムーン漣だ。
マナブースト手段に欠けるデッキカラ―である以上、こういったクリーチャーを活用せざるを得ないのだ。
(さて、次のターンに相手が一体何をしてくるのか……)
一抹の不安を感じつつも、隆侍はターンエンドのボタンをタップした。
当然ながら、相手のターンの始めにも《ゼリア》の能力が発揮される。
相手が出す5マナ・パワー4000のクリーチャーとは一体何なのか、という点にも着目する。
「──《アストロノーツ・ワイバーン》だって!?」
相手のバトルゾーンに呼び出されたクリーチャーを見て、真っ先に驚いたのは慧の方だった。
一方で隆侍は朧げにしか記憶に残っておらず、今一リアクションが取れなかった。
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