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対戦相手はターンを終了してきた。
隆侍のターンが始まり、自動的にデッキからカードが手札ゾーンに移動するが、マナチャージを行っても1マナしかない。
《アガタルキデス》の軽減能力があるにしても、毎ターンランデスされるのであれば気休めにしかならない。
「……」
マナチャージするカードを思案している隆侍を見て、慧も黙りこくる。
この場合は次のシールドブレイクでトリガーが来た場合のことを想定し、どのカードを手札に残しておくかを考えるものだ。
先のことを集中して考えている隆侍に余計な口出しは不要だと、慧は察したのだ。
だが、隆侍が考えていた内容はそれとは異なった。
「《ルナ・デポグライダー》をグラビティ・ゼロ召喚する」
「おお!? こっちもグラビティ・ゼロか」
マナチャージの後、隆侍はコストを支払うことなく5コストのクリーチャーを召喚した。
目には目をといったところか。
「自分のマナが相手より三枚以上少なければグラビティ・ゼロが出来る。そして、登場時に自分と相手のマナ差分だけドローができる」
「あっちが6マナでこっちが1マナだから5枚、だな」
「ああ。更に三枚以上引けたなら手札を二枚マナに置くこともできる」
慧の合いの手に頷きつつ、隆侍が一気に増えた十枚の手札から二枚のカードを選び、マナゾーンへとスライドさせた。
これで何とか《リゲル》で削られる直前の状態へと戻すことが出来た。
ルナ・デポグライダー
水文明/5マナ/サイバー・ムーン/1000
G・ゼロ-自分のマナゾーンの枚数が相手のマナゾーンの枚数より3枚以上少ない時。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンの枚数と相手のマナゾーンの枚数の差までカードを引く。3枚以上引いたなら、自分の手札から2枚を選んで、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。
クレセントムーン・O
CO-次の自分のターンのはじめまで、水文明以外のクリーチャーを召喚するコストを1増やす。
(それにクレセントムーン・オーバーも発動し、水文明がないであろう相手の召喚にも負荷をかけられた。グラビティ・ゼロには無力だが、コズミック・ストークなら痛手のハズだ)
隆侍は画面内のバトルゾーンに置かれた《デポグライダー》のカードを眺めつつ、そんなことを考えていた。
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