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………………。
少し時間が経過し、星河が《星鳥ゼリア》を召喚してスター・ウォーカー能力によって超次元ゾーンへと送り、ターンを終わらせたところである。
「さて、これで相手のターンなわけだけど、いるのかしらね、5マナ4000のクリーチャー」
「メジャーじゃないステータス参照だから有り難いのさ」
《ゼリア》の能力は相手プレイヤーの方が先に処理される。
だが昨今の有力なコスト5のクリーチャーでパワーが4000のクリーチャーはほとんどいない。
故に星河側のみがアドバンテージを得る場面も多いのだ。
だが画面内では、相手のデッキの枚数が減る前に、クリーチャーがバトルゾーンへと登場していた。
「出してきたわよ。……何あのカード?」
「《ルナ・ブルーダイナソー》……。下手すりゃ俺の《アスワイ》よりマイナーなカードだ」
相手が出したコスト5パワー4000のクリーチャー、《ルナ・ブルーダイナソー》を見たツバメは初めて《アストロノーツ・ワイバーン》を見た時と同じような反応になった。
過去に寄せ集めデッキを使っており、学園のデュエルマスターズ筆記試験でトップの成績を修めている星河は認知していたようだ。
「アンタのソレよりは無駄にならない効果だけど、どう考えてもスペック落ちしてるわよね」
ツバメの意見は最もだ。
ブロッカーでワンドローという無駄にはなりづらい効果でこそあるが、現状のデュエマでは5コストとなれば強力なアタッカーやシステムクリーチャーを出せる段階だ。
こんなクリーチャーを入れる枠の余裕はない為、採用の価値は無いに等しい。
(まさか……いや、でも──)
しかし現に対戦相手はこのクリーチャーを出している。
相手が時代遅れのデッキを使っている可能性も否定は出来ないが、星河の脳裏には別の可能性が思い浮かんだ。
そして彼の予想に丸付けをするかのように、相手のバトルゾーンには星河の記憶には無いクリーチャーが現れたのだ。
「《アガタルデス・リプル》……。サイバー・ムーン漣って、そんな上位種族聞いたことないわ!」
これに出して反応を示したのはツバメ。
カード自体を知らないだけなら、《ルナ・ブルーダイナソー》と同じようにマイナーなだけかもしれない。
しかし、種族まで知らないとなれば話は別だ。
オマケに既存種族の最後に漢字一文字が付与される上位種族はここ数年で初登場した新しいタイプのものであり、ツバメは自分がそこら辺の知識不足があるというのは考えられなかったのだ。
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