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相手ターン中にバトルに勝てばターンの残りを飛ばすことが出来る効果を持っている《ブライトホーク》だが、そのコストは6。
見逃していなかった星河はきっちり、7コストの《エルクリーナ》には届かないようにしていたのだ。
よって《アガタルキデス》は破壊されてしまい、画面内の《ポラリスクロニクル》のカードが発光する。
『攻撃後、《ポラリスクロニクル》の「超次元ゾーンにコズミック・ストークが2体以上」の条件を達成している為、龍解します。──《流星翼竜ギガ・ポラリス》!』
銀河熾剣ポラリスクロニクル
無色/6マナ/ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーは「スピードアタッカー」を得、攻撃中は破壊されない。
龍解:装備したクリーチャーの他に自分のクリーチャーがなく、自分の超次元ゾーンにマナの数字が1以上のコズミック・ストークが2体以上あれば、これを装備したクリーチャーの攻撃の後、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
6コストのウエポンが裏返り、11コストもある強大なドラグハート・クリーチャーへと変貌した。
「こいつが、あのデッキのフィニッシャーなのか」
『龍解時、デッキからコズミック・ストークを2体、《星鳥ガルムナ》と《リリアナ》を超次元ゾーンに置きます』
隆侍の言葉に星河は小さく笑いつつ、カードを二枚選択して超次元ゾーンへと送り込んだ。
既に使われている《リリアナ》に一早く気付いたのは慧だ。
「《リリアナ》ってことは、これで《ギガ・ポラリス》もスピードアタッカーってワケか」
サイキック・クリーチャーとは違い、裏返っても召喚酔いが解けないドラグハートの弱点をきっちりカバーしているのだ。
隆侍も黙りながら、状況の危うさを感じ取っていた。
『ええ、一気に行きますよ。《ギガ・ポラリス》でトリプル・ブレイク! この時、超次元ゾーンからコスト10以下のドラグハート・クリーチャー、《流星翼竜メガ・ポラリス》を呼び出します』
「っ、《最終熱血オウギンガ》を模した効果か……っ!」
効果の中身を聞き、即座に類似効果を持った既存カードの名前を口にする慧。
《オウギンガ》はドラグハートの中でもトップレベルの超強力なクリーチャーであり、それにとても近似しているオリジナルカードであれば、その恐ろしさは語るまでもない。
流星翼竜ギガ・ポラリス
無色/11マナ/ドラグハート・クリーチャー/コズミック・コマンド・ドラゴン/アーマード・ワイバーン天/15000
このクリーチャーが龍解した時、自分の山札または墓地からコズミック・ストークを2体まで選んで、バトルゾーンに出してもよい。
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに持ち主の墓地に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、コスト10以下のコズミック・コマンド・ドラゴンのドラグハート・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
T・ブレイカー
『さらに《ギガ・ポラリス》が攻撃したシールドは墓地送りになります』
(シールド・トリガーの可能性すら潰してきたか!)
当然、《アモーレ》によってブロックできないので、隆侍のシールドは《ギガ・ポラリス》から伸びた熱線のエフェクトにより、真っ黒に変色した後に焼失した。
その後、小ウインドウでそれらのカードの詳細が表示されたが、運悪く《英雄扇スパイラル・ハリケーン》が一枚入っていた。
しかし、対戦相手のバトルゾーンには新たにもう一体のドラグハート・クリーチャーが存在に、そちらも例に漏れず《リリアナ》によるスピードアタッカー化を受けているのだ。
『そして《メガ・ポラリス》でもシールドをブレイクです。こちらも同様にシールド焼却をし、さらにアンタップによる二回攻撃が可能です』
流星翼竜メガ・ポラリス
無色/7マナ/ドラグハート・クリーチャー/コズミック・コマンド・ドラゴン/アーマード・ワイバーン天/9000
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに持ち主の墓地に置く。
各ターン、このクリーチャーがはじめてタップした時、アンタップする。
W・ブレイカー
スピードアタッカー
隆侍のシールドは残り一枚。
その上でもう一度攻撃可能となれば、その結果はこの場にいる誰もが察してしまった。
「ということはもう……」
「まさに一転攻勢だな。……さすがにもうキツいか」
《アストロノーツ・リゲル》による強力なランデス戦略こそあったが、これまでは単体でゆったり攻める印象しかなかった星河のデッキだが、
準備さえ整えば一転して、カウンターを許さないワンショットキルレベルの攻撃の行ってくる。
その勢いに隆侍も慧も呆気に取られてしまったのだ。
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