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「シンパシーにより、1マナで《月星封魔ヘルナーク》を召喚する。これでグランド・デビル以外は召喚ターンに攻撃できない」
更に隆侍は防衛を強化してきた。
スピードアタッカーも封じたので、星河はより攻めにくくなった。
『今あるクリーチャーだけじゃなくて、スピードアタッカーも封じてきたわね』
「《リリアナ》の効果も、これで安心だな」
ツバメと慧がこの状況にそれぞれの感想を呟いた。
アーマード・ワイバーンを全てスピードアタッカーに変貌させる《リリアナ》を封じられたのは大きい。
これでマナを全て使い切った隆侍だったが、まだプレイは終わっていなかった。
「そして《ブレイン・ストーム》を無償で唱え、三枚ドローして二枚をデッキの上へ。そしてターン終了時に《アブルフェーダ》により上から二枚を墓地に置き、その両方がサイバー・ムーンなので龍解する」
呪文によってデッキの上のカードを固定化することで、《アブルフェーダ》の龍解条件を確定で成功させた。
画面内では《アブルフェーダ》が縦向きになりつつ裏返り、《月魔龍アブルフェダリオン》の面になった。
隆侍のマナゾーンは7枚だが、《サテライト》が二体いることでマナ武装9は達成している。
《アブルフェダリオン》は自軍クリーチャーの除去を手札コストで防げる為、これで手札がある限り、隆侍のクリーチャーは除去を凌げるようになった。
『……なるほど、これは《ガルムナ》にも劣らない強力な防御ですね』
ターンが移ったが星河はすぐにはアクションを起こさず、感嘆の声を上げた。
だがそれは決して怯んだわけではない。
『けど折角のオリカ対決、まだまだ楽しませてもらいますよ。3コスト軽減し、7マナで──
《「孤高」の頂アルニラム・Astronaut》を召喚します』
「「頂」……ゼニスか!」
星河のバトルゾーンに置かれたのは、既存の無色カードの中でもド迫力のスペックを持った種族・ゼニス。
それのオリジナルカードバージョンとなると……隆侍は焦りを感じざるを得なかった。
『登場時能力、《アルニラム》以外の全カードを破壊します』
「なら《アブルフェダリオン》の効果だ。手札四枚を全て超次元ゾーンに送り《Q.E.D.》、《ブライトホーク》、《アーマリー》、《ヘルナーク》を場に残す」
全てを焼き払うというスケール違いの効果を使われたが、直前に龍解できていた《アブルフェダリオン》を利用してなんとか一部のクリーチャーは残すことが出来た。
しかしこれで手札は完全に無くなってしまった。
当然、星河のドラグハート二体も破壊されたが、ドラグナーはエターナル・オメガによって手札へと戻っている。
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