イルレコ─Encounter with [astronaut]

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※NDV設定メモ 『Nucluer Duel Vendetta』の非公開に伴い、当短編に関わる最低限の情報を載せます。 短編内のネタバレに繋がりそうだったので、最下部に掲載しました。 当然ながらNDVのネタバレにもなります。どの道非公開なので、あまり関係ありませんが……。 ●舞台 『Next Duel Burst』の未来で(10年前後だと思われる)、作中のメインであったエリーナたちが住んでいる側の世界が舞台。 希少な金属を採取できる「ノマディック・メトロ」と呼ばれる島の中に、聖レディア学園がある。 ●天津星河について 聖レディア学園に通う高校生。頭脳明晰でデュエルマスターズに関する知識もほぼ完璧で筆記テストは余裕の満点。ただし両親ともに不在という境遇の為、金銭に非常に困窮しており、使用デッキはシナジーもない寄せ集め。その為、実技の成績は最悪。 我が身は二の次で、同じ孤児院出身の朱火の夢であるデュエルマスターズのプロデュエリストを叶えること最優先とし、彼女の支援を続けている。 しかしある日、銀行から差出人不明の荷物を引き取ることとなり、それがイリーガル・メディアと呼称されるオリジナルの「アストロノーツ」デッキだった。 決闘実体化能力(サイコパワー)を発現し、追われる身となったツバメを守る為にそのデッキを用いて初『復讐の聖戦(ヴェンデッタ・ゲーム)』を乗り切り、その後は朱火含む様々な者たちの助力を受けつつ、ツバメの身の安全を確保する為に政府をも敵に回す戦いに身を投じるようになる。 ツバメがサブスタンティアティに捕らわれ、取り戻す為に奮闘している最中、彼は自らの出生の真実を知ることとなる。 星河はサブスタンティアティが、優秀な研究者であったハラマの遺伝子を残す為に作り出されたクローンの一人だったのだ。言わば星河はハラマの息子に近い存在だった。彼がその真実を知った時には既にハラマはこの世に存在していなかったが、彼の手記に記された「後悔しない道を選べ」という自分にあてたメッセージを読み、作中初めての涙を流した。 これまで全てを俯瞰的に見続け、感情をほとんど出さなかった彼は、ついに自分の願望を口にした。 「ツバメと本気のデュエルがしたい」と。 それを叶える為に、彼は最後の戦いへと挑んだ。 恐らく今短編内では、NDVの頃よりはちょっと丸くなってると思います。 ●錦燕について 聖レディア学園に編入してきた転校生。そこそこの幼児体型かつツンデレかつお嬢様という欲張りセット。 サブスタンシャルコーポレーションの未発売カードを扱える希少な「テスター」の一人。(ドラグハートは基本的にテスターしか持っていない) 学内一の成績を誇る星河には多大な期待を持っていたが、デュエルは彼女の圧勝となり、一気に失望することとなった。 聖レディア学園には希少な立体映像デュエル装置があり、それを使いたいというのが編入の理由。しかし彼女がそれを実際に使うと、現れたクリーチャーは実体を持ち、デュエルルームの壁を破壊してしまった。 決闘実体化能力(サイコパワー)を持つサイコデュエリストは危険な存在として政府に捕縛される為、その場に居合わせていた唯一の存在であった星河は彼女を守り通す選択をした。 しかし彼女を守る為に一時行動を別にしていた間にツバメはサブスタンティアティに拉致されてしまい、その行方は終盤まで不明のままとなってしまう。 実は平行世界出身(つまりNDBで羚たちがいた世界)。こちらの世界ではサイコデュエリストは絶滅していたハズなのに、彼女という存在が新たに現れたのはその為。 サブスタンティアティは政府と密接な関係を持っており、この世界に決闘実体化能力(サイコパワー)を持つ人間をもたらし、真の野望を叶える為に招致された。 最後はサブスタンティアティの創始者であるゲイザーズの器とされてしまい、星河と『闇のゲーム』にて戦うことに。 しかしとある人物の機転により、敗北した者を救済できる奇跡の方法が成功し、彼女は無事生還した。 あとがきの通り、彼女が星河に惚れたという設定は短編オリジナルです。 でもまあ、ほぼ見返り無しに助けられてるし順当だと思います。 ●夜瓦朱火について 星河の幼馴染みで同じ聖レディア学園に通っている。 実技の成績は学内ナンバーワン、ただしデュエル中は普段の快活でお気楽な性格から打って変わり、冷酷で高慢な性格となる。 星河とはかなり密接な関係性ではあるが、恋愛感情とは無縁な模様。 どうやらデュエル時の性格変化は二重人格によるものだったようだが、あまり深く語られることなく終盤には消滅した。 この短編では名前がちらっと出る程度ですが一応。 ●『NDB時代の最後の罠』について 篠槙羚がゴルグとの決戦に勝利し、終わったかと思った戦い。 しかし彼が気絶し、残りの仲間たちが駆けつけた直後、新たなサブスタンティアティの戦闘員たちが立ち塞がる。 彼らは『闇のゲーム』の改良版である『復讐の聖戦(ヴェンデッタ・ゲーム)』を用いてきた。 始めは戦闘員たちに勝利できていた彼らだったが、一人また一人と勝てなくなってしまい『復讐の聖戦(ヴェンデッタ・ゲーム)』の呪いにより命を落としてしまう。 『復讐の聖戦(ヴェンデッタ・ゲーム)』には勝利した者であってもデッキとの絆を断ち切ってしまうという呪いが付与されてしまうのだ。 次のデュエルで敗北し死を迎える──戦闘員たちはそれを『Next Duel Burst』と呼称していた。 呪いにより引きが途端に悪くなり、あっさりと負けてしまうという結果が起き、レジスタンスは壊滅的な状況となる。 結果、僅かに生き残った者のみが敗走せざるを得ないというNDBの正史とは真逆の結末となったのだ。 NDV内でその罠はレジスタンス内に裏切り者が居たからという事実が判明し、その誰かわからない裏切り者を裏切り者Xと呼ぶようにした。 罠が存在せず、無事に解決した世界→NDB本編 罠が存在し、まんまとしてやられてしまった世界→NDV本編 罠が存在したが、とある仲間の改心によって恐らく罠の阻止に成功する世界→最初の短編 といった感じです。 Next Duel Burstという原作タイトルをこんな意味として持ってくるなんて思いませんでした。これにはすかるん氏に脱帽です。 ●ハラマについて 過去、サブスタンティアティの表の顔であるサブスタンシャルコーポレーションにてレルードゥと共に働いていたが、かつての夢であった「タイムマシンを作りたい」に再挑戦したくなり会社を離れたという経歴が判明。 その後、『NDB時代での最後の罠』から辛くも生き延びた彼は、単独にてタイムマシンの開発に成功。それを用いて未来を覗いたことで自分たちが負けた先の未来の事態の深刻さを理解する。 彼は残された時間を使って『復讐の聖戦(ヴェンデッタ・ゲーム)』に対抗できる唯一無二の武器「イリーガル・メディア」を生み出す。 希少な武器であるそれを他人に託すことは躊躇われたが、サブスタンシャル・コーポレーション在籍時に秘密裏にDNAを引き抜かれ、自分のクローンが存在していると知り、彼に託すことに決めたのだった。 困ったらこの人がやったことにすればいい、というのはNDVでも同じようです。 ●イリーガル・メディアについて この世に二つしか存在しないオリジナルカード満載のデッキ。(元は星河の持つアストロノーツデッキのみだが、とあるデッキに共鳴し影響を与えるように設定されており、もう一つのイリーガル・メディアが誕生した) 本来は存在しないカードという特徴により、『復讐の聖戦(ヴェンデッタ・ゲーム)』の呪いの影響を受けない。 フューチャー・アームズとの主な違いは、 ・新規カードの入手はほぼ無い。(作中一度だけしかなかった) ・そもそも二つ以上新たに生まれることはない。 ・カードを読み込む機器類に反応する。(恐らく機器をハッキングして、強引に実現させている) ちなみに上記の通り、イリーガル・メディア自体は二つしか存在しないが、サブスタンティアティに情報の一部が引き抜かれており、数枚のオリジナルカードの制作に成功されている。 NDV、イルレコの主人公たちのキーカードが共にコスト5パワー4000なのは偶然ではなく、すかるん氏が意図的に提案してきたものです。 ●柿葉巴について 本当の名前は佐紀乃瑞稀。 『NDB時代の最後の罠』の直後で篠槙羚が目覚めた時、彼女はゴルグに捕縛され拷問される身となっていた。 羚は自らの記憶を消してサブスタンティアティの構成員になるというゴルグの要求を呑まざるを得なかった。 瑞稀のことは見逃してもらうことでゴルグに同意してもらったが、彼女自身がそれを許さず着いていきたいと懇願する。 ゴルグに認めてもらう為に、瑞稀はデュエルを行なったが、結果は惨敗。 諦めずに何度も何度と再戦するのだが、決闘実体化能力(サイコパワー)によって心身ともにズタボロとなった彼女は最後は気絶し、置き去りとなった。 後に目を覚ました彼女は、愛する人に裏切られたという多大なる精神的ショックにより言葉を発せなくなっていた。更に体も満足に動かせなくなっていた彼女は、当時学生だった山倉真由に拾われ、入院生活を送ることになった。 最愛の異性に見捨てられ、身も心も死んだ方がマシだった思える程に痛めつけられた彼女は、佐紀乃瑞稀という自分を全て捨てる決意をした。 これまでは難しすぎて読むことを諦めていた書物を何週間もかけて読み解き、知識をとことん吸収していった。 そしてこんな自分を支え続けてくれた山倉真由にどうやって恩を返せばいいのか、と考え続けていた。 ある日、山倉真由は毒親であった両親を家と共に焼き殺してしまう。 その現場を見ていた瑞稀は、この重責に耐えられなくなるであろう彼女を救う為に暗示をかけた。 私は秘密組織『パラレル』の総帥── 貴女、山倉真由は私の忠実な部下── この家を燃やし、逃げ道を失くさせたのは私です── そして瑞稀は柿葉巴という存在になり、「復讐」の為に動き始めたのだ。 かつての仲間たちを殺したサブスタンティアティを滅ぼす為に。 そして今は憎きかつての恋慕の相手、篠槙羚を殺す為に。 全ての戦いが終わった後、彼女は仲間の後を追う為に自らの首に縄をかけようとしていたが、駆けつけた星河がそれを阻止して説得をすることで、生きる道を選びなおした。 NDV終盤ではほぼ主人公みたいな人。ちなみに正体がわかる前に自分が勝手にキャラデザした際、意図せず髪の塗り方が完全に瑞稀と一致していたので、正体判明後に描いた自分が一番驚きました。 ●山倉真由について 聖レディア学園の教員、星河の担任。 秘密組織『パラレル』の一員……という暗示により、序盤は星河とツバメの動向を追い続ける。 『パラレル』に関することが全て暗示によるもよのだと判明した時は巴とギクシャクしてしまったが、終盤では巴と和解して良好な関係を築いている。 ちなみに使用デッキは《蒼神龍チェンジ・ザ・ワールド》を使用したコントロールデッキ。すかるん氏のお気に入りカードです。 ●もう一人のイリーガルメディアの使い手について ハラマが最初に託そうと思った相手、それはNDB主人公の篠槙羚だった。 しかしその時には彼は消息不明となっており、完成したイリーガルメディアを渡すことはできなくなっていた。(ハラマは知る由もなかったが、この時に羚は既に『ハザード』によって記憶を消され、シューデルという呼び名のサブスタンティアティ幹部となっていたのだが) なのでハラマはそのアストロノーツデッキに、ティラノ・ドレイクデッキに共鳴する仕掛けを施し、間接的なイリーガルメディア化を果たせるようにしたのだ。 一方、サブスタンティアティの幹部として働いていたシューデルは、記憶は無くともゴルグには何かしらの違和感を感じていた為、最初から持っていたティラノ・ドレイクデッキはサブスタンティアティに没収されないように隠していた。 シューデルがツバメを誘拐した後、星河とデュエルをした際には全く関係ないデッキを使い勝利を果たしたが、その時にティラノ・ドレイクデッキの異変に気付いた彼は、星河から再戦を申し込まれた時にそちらのデッキを握ることにし、第二のイリーガルメディアが誕生した。 その後、交換条件によって星河に協力することにしたシューデルは『ハザード』を介することで全ての記憶を取り戻すことに成功し、本来の彼──篠槙羚になることが出来た。(ただし彼は自責の念からシューデル呼びを継続して欲しいと頼んでいたが) 柿葉巴──佐紀乃瑞稀に再会した彼は、彼女の願いでサブスタンティアティとの決着が着いた際には彼女に殺されることを約束する。 そしてシューデルは星河の仲間として、NDB時代の復讐として、再びゴルグ=ラインソールに勝負を挑み、勝利する。 しかしその直後、彼らを『NDB時代の最後の罠』に嵌めた張本人である裏切り者Xが立ちはだかった。 再びシューデルが戦うことになったのだが、裏切り者Xが自ら正体を明かした時、流石のシューデルも困惑せざるを得なかった。何故ならその正体は、彼が選び愛した女性──エリーナ=ラインソールだったからだ。 (エリーナが裏切り者となった理由や経緯は最初の短編内とNDVネタバレページお読みください) ゴルグの傀儡であるエリーナは、ゴルグが死してもなお彼の悲願成就の為に動き続けていた。だがシューデルは彼女の言動に、僅かな隙があることに気付き、指摘する。 ──エリーナは完全な傀儡じゃない。 そう信じたシューデルはエリーナを救う為、負けた者が死ぬ『復讐の聖戦(ヴェンデッタ・ゲーム)』であっても構わず投了宣言をした。 そして星河にとあるカードを託し、その命を終えたのだった。 NDVの作者もお気に入りのシューデル。 十年前のNDB時代よりもセリフの言い回しが厨二臭くなり、ぶっちゃけカッコ良くなってます。 最後に託したカードは《時空の封殺ディアスZ》で、最終決戦の星河vsツバメ(inゲイザーズ)での『闇のゲーム』での死の回避に活用されました。 (本当は《ディアスZ》のみでは無理な設定なのですが)
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