6人が本棚に入れています
本棚に追加
観葉植物の陰で暇な2人の姉妹が様子を伺って居る、勿論それは言わずと知れた藤川美琴、詩織姉妹、姉の美琴さんは2人を幸せそうに見て居るものの、妹の詩織ちゃんは何故か悔しそうで、隠と陽がハッキリしていた、あんまりそんな顔で見て居る妹に姉は軽く背中を叩いて話す。
「詩織は亘ちゃんが好きなの?」
「わかんない…でも、何か他の女の子と仲良くしてると胸の辺りが苛々しちゃってさ…何だろう」
「あんた、初恋なんじゃない?」
「そーなのかな?…確かに歳が近いのにあんなに忙しくても笑ってくれて元気をくれる亘っちや仕事に打ち込む亘っちの姿は素敵だと思うよ…でもさ、好きかと言われたらどうなのか解らない…それよりなにより亘っちを落とすにしてもよ、あの最強の壁に勝てる自信なんて湧かないよ」
どうやら詩織ちゃんから見る伊織の容姿はとても張り合えるほどのレベルじゃ無いらしい…そう考えると伊織は所謂、超美人の部落に入るという事だろう…確かに俺が見ても伊織は美人だ、まるで男の理想を全て兼ね備えているアイドルみたいにも見える。
でも…俺にとっての伊織はまだ、昔の…相棒と呼んでいた頃と大差ないんだ。
大好き…それが、相棒だからと理想の女性だからでは大きく違ってくる、俺が求める伊織の有り様は本当の所何処なんだろう?…確かに相棒と呼んでいた頃と今の伊織はズレて来ている、あの時の伊織は男…それは間違いない、しかし、今目の前にいる伊織は寸分違わぬ女性な訳で昔とは別物だ、そうなってくると、俺は伊織の本音と言う物に興味が惹かれる。
聞いて見たいが聞くのも怖い…多分それは俺が今疑問を持った部分に対する俺の本音だと思える。
それを聞いてどうする?
それを聞いてもし予想と違う答えが出たら俺はなんて答えればいい?
覚悟なんか出来ていないし、俺は昔と変わらない様に伊織とは付き合って行きたい。
俺はどうするかと思いながらも懐かしくて大好きな今はまだ相棒と思う伊織とたわいもない話を続けていた。
……なんで、店まで来ちゃったんだろう?
私はなんでそんな衝動に駆られたのか疑問視しつつさっき女性店員に言われて窓辺の席に座り海を見ている。
昨晩、懐かしい…と言うか、本当は会うべきじゃないとも思う幼馴染みの亘に再会しメアドや携帯番号を交換するに至った。
最初のコメントを投稿しよう!