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亘曰くは自分が地元に帰っても連絡できる様に臨んだ交換だったみたいだけど、正直私は帰ってからそれを後悔していた。
面倒とか嫌っ!…って訳じゃないんだけど、私はもっと違う再会を彼としたかったんだ、お互い知らずに何処か別な場所で再会して『相棒』なんかじゃないもっと違う…そう、1男女として再会を望んでいたんだ。
勿論付き合うとか結婚するとかそんな大それた話じゃなくて普通に女の子として出会いたかっただけ、私は彼に私が女の子であると認めて貰いたかった…ただそれだけだった。
でも、会話が進めば昔話ばかりに花が咲いて肝心な部分は出てこない、途中、彼から「どちらでも構わない」…なんてそんな話も聞いたけど本音はそこになくて…私は女の子なんだ!と言う確証が欲しかった…有耶無耶な返事なんて聴きたくは無かった。
その後、彼がどう話したかは知らないけど、浩兄には再会した事が伝わったみたいで、少し早い時間に店に顔を出したら気を使って浩兄が亘に休憩を取らせる序でに私の所へ亘が水を2つ手にして席の所でそれを置いて対面側に座った。
そう言えばお母さんの事、まだ2人に話して無かった、連絡手段も解らないんだから仕方ないけどこの機会に伝えないと…
会話の流れから過去に触れた時に私はお母さんの事を亘に話した。
何となく沈黙していたけど、私はこの時に思いもしない事を口走っていた。
「私のマンション直ぐ近くだから今度ご飯ご馳走するよ、お母さん程じゃないけど腕あげたんだよ私も…食べに来て見て…向こうに帰る前に」
………なーんて、そんな事いったら離れ難くなるじゃんね…しかし、1度口から出たその言葉は取り消す前に亘に承諾されたから今更引っ込みがつかない事になった。
「マジか!?…そりゃあ楽しみだ」
あーあ…私は何がしたかったんだろう…此の所長く続いていた独り身が寂しくなったのかな?
これが『相棒』なんかじゃなくて『恋人』ならそんな誘いも意味があったのに…
悩んでも仕方がないので私はクリームソーダをお願いする、注文を取りに来た亘と変わらないくらいの女の子は少し気になったけど、それでも彼女はニッコリ営業スマイルで注文を書き取りカウンターにいる浩兄の所へと走って行った。
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