6人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ?ここなの竜之介?」
「間違いじゃないよ、ほら…ICEBOXって書いてある確か珈琲の旨い海の家」
「海の家でアイス珈琲なんて面白いよね?」
その2人は店に入ると亘と伊織のすぐ後ろを通過して美琴の案内で奥の席に座った…男性の方は好青年て印象で女性の方は伊織と弾け劣らない位に美しく伊織も俺も思わず見惚れた。
「旅行先に海組み込むとか…竜之介どんだけ海男よ?」
「実智だって海好きじゃん…お前に結婚指輪渡したのも海だったしプロポーズしたのも海じゃん、俺と実智の間に海は必要不可欠…だろ?」
「まぁ、否定はしないけど…あ!竜之介アイス珈琲でしょ?私はそれと焼きそば!!」
「OK!店員さん…アイス珈琲2つと焼きそばひとつお願いします!」
「畏まりました暫くお待ち下さいませ」
美琴さんが慌てて注文を受けカウンターに向かう…と同時に伊織が注文したクリームソーダが席に届けられた。
「亘…あのお二人凄く素敵な感じのご夫婦だね?」
「伊織もそう思ったのか…俺もだ、あんな感じの夫婦は理想だよ俺の中でね」
「結婚しても夫婦で旅行…私達もしたいよね?」
「え?あぁ…うんそうだな!?って、へっ?い、伊織…今なんて??」
「何でもないわよ…私はなーんも言ってなーい」
伊織が満面の笑みを浮かべ声を出して笑う、ふとその姿が可愛いと感じたのはこの時が初めてだ、カウンター越しにそんな姿を見ていた浩は思わず声を殺して失笑した。
やば…ボロ出しちゃった、亘気づいてないよね?…けど、あんな事を言うとか、私はやっぱり相棒じゃなくて恋人になる事を望んでるのかなぁ…?
亘も言ってた、大好きな…って、私の大好きはそこじゃないよ亘…
ふとさっき来店した2人の方を見ると2人は1枚の皿に乗せられて運ばれて来た焼きそばを2人で楽しそうに摘んでる…何て仲良しなんだろう、今の私と亘とは大きく違うな…羨ましい。
そうだ!
「ねぇ…亘!私、あれやりたい!」
「えっ?」
「一皿のものを2人で食べる奴…ダメかな?」
うっ…。
そんな上目遣いで見るなよ、伊織…ちくしょう!可愛いじゃねーか本当にこいつは!
頬杖を点きながら上目遣いの美人に見られると言う心境は堪らない、はぁ…とため息を吐きながら詩織ちゃんを呼ぼうとした俺の所に来たのは兄貴。
最初のコメントを投稿しよう!