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「あの…」
「何よ、亘…私に指摘されて気づいちゃった?」
「それもだけど…解んなくなった…」
「何が?」
「いや…お前と再会して嬉しいんだけど、俺、お前の有り様が何処なのか解らないんだ、気持も…それまでは相棒に再会できて盛り上がって何と無く簡単に好きだの何だの言ったけど…俺の本当の好きは何処にあるのかな?」
「………それは私には解らないよ…亘が私をどう見てるか…相棒だったのはまだ小さかった頃、でも、今はもうウチら18だよ、でもね…私がこうなったのはきっと亘が居たからだと思う、貴方に会わなければ自分の中の本当の自分に気付けなかった、ドジておっちょこちょいで何時も怪我ばかりしている亘、手当てしていて私は自分の中の自分に気付いた…私は女なんだってね…だからハッキリ言う!私は貴方の相棒になんかなりたくない!私の中の本当の私はそんなの求めていないよ」
「伊織…」
そう、もう伊織は『相棒』なんかじゃないんだ、彼女は…違う、俺は此奴を好きだ!でもそれは相棒だからじゃなくて…1女の子として彼女が好き…行き着く所俺はあの日から伊織に女の存在を感じていた…それを誤魔化して『相棒』なんて良き理解者見たいな呼び方をしていただけ…その本質はつまり俺が10年間思い続けていた理想の人…やっと自分のこの気持ちを整理できる。
「………相棒、なんかじゃない…俺はお前が好きなんだって事を今、気付かされた10年もあれば普通なら色んな女の子…詩織ちゃん見たいな子と付き合うことも出来た筈、でも、俺は出来なかった、相棒なんて誤魔化して置いて真実俺はお前に惚れていたんだよだから、他の女の子に興味も抱けなかった」
「亘…その言葉だよ、私が聞きたかったのは、そう私は女であって椎名伊織なの!相棒なんかじゃないんだ、私は貴方がいたから女になれた、君の為だけに女の子になりたかった…10年前から」
「伊織…ありがとう」
「亘…でもね、もう直ぐ時間切れなの貴方と入れる時間はあと僅か…明後日には離れなきゃならない日が来るんだよ?」
「そっか…シーズンも終わりなんだよな」
そうだった海の家ICEBOXは明後日で営業が終わる…俺は滞在期日である明後日の夜には兄貴のマンションを離れ実家に帰るんだ。
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