2人が本棚に入れています
本棚に追加
『ゴンタ君の存在そのものが緑のオーラなのです。ですが魔法も魔力もありません。彼の緑のオーラは気力と精神力だけなのです。ですから、近くにいてくれるだけで何倍ものチカラを発揮できるのです。これは数値では表せませんので証明が難しいのです。彼は長い期間、大地に埋もれていました。ただそこでじっとしていたわけではなく、修行をしていたのでしょう。彼自身、強力なオーラは白と黒だけです。気孔術も普通よりは少し強いだけかと。彼はもうオーラは持てません。そう創られたからですね。ですが、彼の気力と精神力は彼が作り上げたものです。努力と根性、などとよくいいますが、その眼に見えないものこそが彼の真髄なんだと思います』
アストールが驚いた理由が良くわかった。この程度のことは功太になら分かっていると思っていたのだろう。功太はは目に見える情報しか信じていなかったようだと猛省したようだ。
ゴンタは反転の杖だ。前回の厄災退治の際、一発目の大砲を轟かせたのはゴンタだった。白と黒の競演。相反する白魔法と黒魔法を螺旋を描かせ絡ませるようにして、それぞれのエネルギー弾をハイビームと化して放ったのだ。
「そうか、今はっきりとゴンタのことを知ったな。オレの最高の息子だということを」
功太は思わず笑みを零した。アストールをなぜか寂しそうな顔を功太に見せた。
『はい、羨ましい限りです…』
「お前もオレの息子になれ! 強い息子は何人いても構わないからなっ!」
功太がアストールの小さな頭を指で優しく撫でると、アストールは最高の笑みを零した。
「強くない息子もやっと到着しましたぁー!!」
功太と悦子の願いの子であるダイが帰って来た。今日は珍しく汚い身なりではなかった。ダイの持つ吸引弓の杖はルビーという。
「ルビーから聞いたか?」
最初のコメントを投稿しよう!