厄災という名の怪物との戦い

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『さすがです! 免疫を打ち破る準備もしていたのですが、必要なかったようですね。大きさは100メートルほどです。前回の厄災よりも大きいものですけど、囲ってしまったのでもう動けませんし、今は苦しみもがいていますので、じっくりと削り落しましょう。逃げる余地を与えないように、球形に結界を張っていますので、這い出る隙はありません。安心は出来ませんが、楽に消せると思います。地中から掘り出したあと、今張った結界のサンタ君のものは残して一旦結界を外し、戦う者を囲い込むように結界を張ります。それで逃げることは不可能になります。この手順で如何でしょうか?』 「サンタの張った結界の隙間から逃げられそうだから、先にもうひとつ外側に結界を張った方がいいと思うが。 …エンジェル、100メートル以上の球形の網の目の結界、張れるか?」 「はい、お父さん、できますっ!!」 「伸縮は?」 「はい! コンとロールできますっ!!」  エンジェルは悪魔の眷属で囲の杖だ。魔法の杖には住人がいる。大きなチカラを持つ功太によって導き出されたのだ。エンジェルは生まれ出て功太を王としてではなく父としたようだ。よってエンジェルは幼女の姿をしている。悪魔の一種なのだが、存在は天使と何ら変わりがない。 「300メートル以上の魔法防御結界、物理防御結界を張れる者はいるかっ!!」  功太はチカラ強く言い放った。功太は数人はいると思ったようだが、功一郎、チノ、紗梨菜、マノン、リノが手を上げた。    功一郎、チノ、紗梨菜、マノンは天使に属する。マノン以外は大天使と呼ばれる位の高い天使だ。リノは護の杖だ。エンジェルと同じ様に幼女の姿をとっている。功太は五人に向いて笑みを漏らした。     
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