想い人

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「 よろしく。」 「 ああ 」 いきなり、タメ口かぁ。 周りの女子は、 大騒ぎしている。 「 あぁー、面倒くさいなぁ。」 「 あの・・・。」 「 うん? なんだよ。」 「 よろしくお願いします。」 「 えっ?」 蓮は、意外にも低姿勢な態度で接してきた。 「 あの、まだ日本の感覚戻らなくて、 もし、失礼な事あったら ごめんなさい。」 「 あぁ、うん。分かった。」 「 あの、友達誰もいないから、 良かったら蓮って、呼んで下さい。」 人は見かけで判断しては、いけなかった。 話してみると、とってもいい奴だった。 逆に、俺の懐の小ささを 改めて認識させられた出来事だった。 休憩時間になると、 蓮の側には沢山の女子が集まりだし、 質問攻めにあっていた。 「 匠、あいつ羨ましいなぁ。」 「 仁も、同じ事考えてるなぁ。」 「 何言ってんだよ。 クラスの男子は皆そうだよ。」 「 何、やいてるの?」 ふと見ると、琴が側にいた。 「 お前は行かなくていいのか? 」 「 うん。」 「 もう、今朝少し話したし、 ハグもされた。」 「 ・・・。」 「 今なんって?」 「 ハグだよ。」 「 エエエッ!」 「 あいつ、やっぱり嫌いだ。」 「 仕方ないよ。あっちじゃ普通の事みたいだし。」 「 琴、なんか、嬉しそうだな。」 「 違うよ、匠、驚いただけだって。」 彼女を意識してからは、 手を触れる事等なかったのに、 いとも簡単に琴を抱きしめられた。 やり場のない、怒りをごまかすのに 必死だった。
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