想い人

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「 はーい。着席。」 「 高校3年の君達は、 この先、 大学進学、専門学校、就職等、 それぞれの進む道が異なる訳だが、 今日の授業のテーマは、 ズバリ! 」 九条先生は、 黒板に大きな文字を書き始めた。 「 これだ!」 そこには、ニ文字で、 「 青 春 」と書かれていた。 「 何それ?」 「 先生、ハズいんだけど・・・。」 「 ハズい? 何だよそれ。」 「 恥ずかしいのよっ。」 「 ちゃんと、日本語使えよ。 そんなんじゃ、お嫁行けないぞ。」 「 先生、それセクハラ!」 「 まったく、もう。」 「 ハイハイ、そんな気持ちもあると思う。 先生も若い時はそうだった。」 「 でもな、今のお前達が過ごす 何気ない時間は、大人の時間とは違って、 特別なんだよ。  今は、分からない、 気がつかないかもしれない。 でも、 いつか、きっと振り返る時が必ずくる。 その時に、未来の自分達が、 今の17や18歳の君達の感性に勇気づけられる様な 作品を書こうじゃないか。」 「 うん? 」 「 作品? 書く? 「 おっ、鋭いなっ。」 各学生毎に、先生達が話し合い 学年全体で1つの事に取り組んでいた。 1年の時は、ボランティア。 地域の介護施設で、手伝いをしたり、 バス停に、レンタル傘を設置したりもした。 社会との繋がり、人の為に何かをする事を学んだ。 2年には、農業。 無農薬で、沢山の野菜を作り、 販売を経験したり、 幼稚園児とイモ掘りもした。 食への感謝を学んだ。 思い返せば、役に立つ事ばかりだが、 次はいったい?
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