想い人

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「 ねぇねぇ。読んだ?」 「 どうしたの、岬(みさき)。」 「 えっ!まだ読んでないの?蓮君の小説。」 「 うん。クリエイター名は聞いたけど・・・。まだ。」 「 かなりヤバイ事になってるよっ!」 「 ええっ?」 手塚 岬は、小学校からの同級生で、 琴の一番の親友。 そんな、岬が言ってる意味が分からなかったが、 教室に入った瞬間、 異常な空気を感じる事になった。 「 おはよう。」 「 シーーーン 」 「 えっ。」 教室内の女子の対応が、 極端に変わったのだ・・・。 「 見かけによらず、上手くやったわね。」 「 えっ?」 「 どんな手使ったのよ。」 「 絶対負けないからね。」 「 ええっ? 何、コレ?」 「 岬、これって?」 「 これだよ。蓮君の告白宣言!」 投稿小説を通し、 琴にアプローチする蓮の気持ちが綴られていた。 /// 今日の更新 /// 「 琴・・・ おはよう。。。 今朝目覚めた時、 思い出したんだ・・・ 昨日、君をハグした時の 温もり。。。 目を閉じると、その感触がよみがえる。 決っして、 忘れたくないから・・・ 今日もハグしようね。 蓮。。。」  「 ・・・・・・・・・ 」 「 困ったなぁ・・・。 」 「 おはようーっ。」 「 あっ、匠!」 「 あの・・・。助け・・・。」 「 おおっ。 これはこれは、モテモテの琴お譲様じゃないですか?」 「 あんな爽やかなイケメン! 良かったなっ。」 「 違う!」 「 そう強がんなよ。素直に喜べよ。」 「 いっそ付き合ってやったら。」 「 ・・・・・・ 」 「 もういい!」 また、心にもない・・・ とんでもない事を言ってしまった。 情けない男だが、 自分に自信がなかった。 勝てっこないよ・・・あんな奴に。 琴は涙を浮かべながら、 教室から飛び出して行った。
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