秘密

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「 行ってきます。」 「 匠、どこか行くの?」 「 うん。ちょっと学校。」 「 あっ、夜遅いから晩飯いいや。」 「 そう。わかった。」 「 でっ、 あんた頭大丈夫?」 「 えっ?」 「 外、快晴だよ。 天気予報も0%・・・ 傘? 何、そのホッペの凸凹?」 「 本当に、頭大丈夫かい?」 「 大丈夫だよ・・・。」 「 大丈夫って、傘持ってくんでしょ!?」 「 うん。」 「 ・・・・。」 「 お父さぁーん! 匠が頭おかしくなってるの!」 「 ああっ!い、行ってきます。」 これ以上説明すると、余計にこじれてしまう。 爺ちゃんの事も、絶対話せないや。 でも、確かに、 この快晴で、傘を持つ程怪しい事はなかった・・・。 「 匠!」 「 よっ、哲弥!」 「 匠、お前・・・頭大丈夫か? 傘?」  「 もう、そっとしておいてくれ・・・。」 「 わかった。そうする。」
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