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「 そんな事よりさぁ。」
「 昔よくこの噴水見に来たよな。
こっそり、夜中に家抜け出して、
0時の噴水ショー見に行くぞって。」
「 ああっ、そうそう!」
「 すっごく、ワクワクして来たのに、
23時以降は節電で、
噴水止まってたんだ。」
「 虹色ベンチも、いつもカップルばかり座ってるの見てると
カップルじゃないから、
座れないって遠慮してたもんね。」
「 匠、今座ろうか?」
「 ええっ。雨で濡れてるよ。」
「 大丈夫だよ。
私ハンカチ持ってるから、
ちょっと拭けば、傘もあるし。」
「 ずっと座りたかったんだぁ。
匠と・・・。」
「 えっ・・・。」
琴は、雨の中嬉しそうに
はしゃいでいる。
虹色、緑ベンチに二人の肩は寄り添い
互いの温もりを感じていた。
「 虹色の順番って、チャクラと同じなんだって。
琴、ヨガ習ってるだろう。」
「 うん。」
「 ヨガしながら、チャクラを活性化させると
精神や肉体を良い方向に導くことができるんだって。」
「 虹と同じ様に、7つのチャクラがあって、
このベンチ!緑は、思いやりや愛情なんだって。」
「 って、俺、恥ずかしい事言ってない?」
「 そんなことないよ。」
匠は照れくさそうに、ポケットに手を入れた時、
一つの感触を感じた。
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