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「 あっ!そうだ。」
匠は立ち上がり、
ポケットから取り出し琴に差しだした。
「 これ、琴にあげる。」
「 何?」
「 わぁぁぁ!
コレ!アクアマリンだぁ。」
「 えっ!知ってるの。」
「 もちろん。自分の誕生石だよ。
へえっ。
すっごく綺麗。」
「 誕生月、覚えててくれたんだ。」
「 これ、和名で藍玉(らんぎょく)って言うんだよ。
海の水を象徴してるんだ。
航海の安全を願う石で、
航海を人生に置き換えて進むとか歩んでいく意味から、
幸せな人生を送る、
幸せな結婚のお守りなんだよ。 」
「 すっごく嬉しい。」
「 匠、ありがとうね。」
琴に、石の意味する想いが伝わり、
ホッとした匠だった。
「 なんでだろう?」
「 今日ね。
蓮くんとデートしてて
すっごく、ドキドキするし
緊張感もあって、楽しかったんだ。
それなのに、どうしてだろう・・・。」
「 匠と・・・
匠といると、もっともっと・・・
ドキドキする事より、
心地よくて・・・
安心するんだ。。。」
「 琴、疲れてるんだよ。きっと。」
「 琴、そろそろ、
帰ろうかっ。
門限もギリギリだし、
俺家まで送るよ。」
「 うん。 そうだね。」
「 先に立ち上がり傘を持つ匠に寄り添う様に、
正面から立ち上がろうとした時、
琴は匠の首元に手を掛け、
背伸びをしながら・・・
二度、優しく唇を交わした。
そして・・・
再び、唇を重ね合い
小雨の降る中、
二人は抱き合いながら、
熱く長いキスをした・・・。」
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