契約

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「 それじゃあ、琴さんは残って頂いて、 深海さんから今後の対応について、 説明と協力を我々と一緒にお願いします。」 「 九条先生は、教室の生徒達への 説明をお願いします。」 「 片桐 蓮君は・・・。」 「 あの、少し匠くんと話しててもいいですか?」 「 ああ、いいだろう。 中々会う機会も減るだろうし、 かまわんよ。」 「 すみません、わがまま言って。」 匠と蓮は校長室を離れ、 渡り廊下中央のベンチに腰掛け、 話をすることにした。 「 驚いた?」 「 ああ、琴に聞いた時は・・・正直ビックリした。」 「 それに、岬の持ってきた雑誌。 大丈夫なのか?」 「 ふふっ。大したこと無いよ。 あのマネージャー、すごくやり手でね。 大人の世界の事はよく分からないけれど、 いつも、ピンチをチャンスに変える凄い人なんだ。 だから、今回もきっとなんとかしてくれる。」 「 短かったけど、楽しかったよ。」 「 好きな女の子や、親友も出来たし。」 「 俺さ、贅沢だけど普通の暮らしに憧れてて、 カナダのハイスクールは私服だったし、 制服も衣装では着たけど、 こうやって毎日着るのも新鮮だった。」 「 なんか、俺ばっか喋ってる。」 「 うん。」 「 琴ちゃん、幼馴染なんだってな。」 「 ああ。」 「 あの子、いい子だよな。 本気で好きになっちゃったよ。」 「 ・・・・・・ 」 「 俺、今の仕事してるとさ、 色んな女の子寄って来るんだ。 でも、殆どの子ってさぁ、 俺の事外観だけで見てて、 なんだろう? 上手く伝えられないけど・・・ 本当の俺じゃないいんだ。」 「 ええっ。」 「 いつも、ニコニコしてるだろう。 愛想振り撒いたり・・・ 職業病かな? 本当の気持ち隠すうちに、 本当の自分の事忘れかけてて、 作られた自分に、女の子は喜んで集まる。」 「 ここに来た時もそう、 女子はすぐ群がって・・・。」 「 それって、自慢かよ?  結構聞いてて、羨ましいよ。」 「 ふふっ。かもな。」 「 でも、琴ちゃん違ったんだ。 初日にあった時、 カナダの癖で、ハグの挨拶したんだ。 みんな、キャーキャーわめいてた。 日本の女の子は、簡単だな。そう思ったよ。」 「 でも、彼女だけ・・・。 俺に注意したんだ。 そういうの、辞めた方がいいって・・・。」 「 そうなんだ。琴らしいな。」 「 下心あったのバレてたのかな?」
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