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「 はーい。席について。」
「 もう、チャイムなってるぞ。」
教壇では、担任の九条先生が大きな声を出している。
「 また、九条が担任かよ。」
「 匠、お前も一緒だよな。」
「 ああ。」
腐れ縁で、高校3年間クラス替えはあっても、
何故か離れる事がなかった親友の山崎哲弥(てつや)
それと、担任の九条先生も同じだった。
「 新学年、新学期のスタートだ。」
「 そこで、早速だが今日から新しい仲間を
一人紹介する。」
そう、伝えると先生は扉を開けて、
一人の生徒を招き入れた。
「 きゃぁーっ。」
女子たちの、黄色い声援が響き渡った。
身長は190cm位、少し焼けた肌の色から、
いかにも運動は得意ですオーラが全身から伝わりだす。
細身の体だが、引き締まった感じは
制服の上からでも分かるくらいだった。
引き込まれる様な涼しげな眼差しに、
優しい頬笑みを躊躇なく浮かべている。
正直、男から見ても出来過ぎで、
全てにおいて負けそうだった。
直観的に関わりたくない、
そう思った第一印象だった。
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