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辛い――ことばかりではない。
何回か同じ場所を警備すれば、少なからず顔見知りにはなる。
中には(まかない)を提供してくれる店や売れ残った弁当などをくれるスーパーもある。
ちょっとした役得だ。
その中でも一番嬉しかったのは正月三が日に警備した飲食店。
貰ったのは〔お年玉〕
従業員に渡すお年玉を俺にもくれたわけで、金額もビックリの一万円!この時は、警備員やっててよかったと感じた。
「そう言えば良太君、黒崎さんって人から電話あったけど、ま~た、リサーチの仕事してるんじゃないよね」
三橋さんの疑いの眼差しに俺は少し焦る。
「まっ、ちゃんと仕事をしてるなら、目をつぶるけどさ。クライアントには見つからないように気をつけてよ」
「わかってます。別の場所で会ってるから大丈夫です」
「だったらいいけど」
駐車場警備員の仕事は事故防止が基本だが、実は警備員を狙って話しかける人間もいる。
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