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スポット契約とはいえ、前金契約は当たり前なのだが、中には後払いを希望するクライアントも少なからずいる。
当然、大手は相手にしない。
それだけにスポット契約、それもへんぴな場所の店には行きたがらない警備員も多く、三橋さんは俺に話を振るわけだ。
「良太君、あそこのオーナーは優しそうな雰囲気だったから（次回の契約）もしちゃって構わないから」
「しません。三橋さんがやってください」
「契約すれば次回も良太君の担当だよ。日給ガッポリ、スポットだけで生活できるなんて、良太君だけだよ」
「たまには長期契約を取ってください。毎日、違う場所に行くのも疲れるんですけどね」
スポット契約は長くても１週間。殆どは土日だけであり、平日は開店や創業際がポチポチある程度。
土日だけの仕事では、とても食べてはいけない。如何に平日に仕事をするかがポイントになる。
その平日の仕事を次に活かせるか――つまりは契約に繋げることができるのか。
それは、三橋さんの仕事だが、俺自身の行動一つで大きく変わる。
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