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俺のいる警備会社
スポット契約を結ぶお店は三割が新規契約。残りの七割が再契約である。
この三割をいかに(奪う)かが、大きなポイントとなる。
新装開店した店が駐車場の警備員を雇うとは限らない。
雇うことすら考えていないオーナーが殆どである。
その、(雇う気がない)オーナーを説得する話術が三橋さんにはある。
まさに天才的だと思う。
説得のコツは三つあるらしい。
一つ目は駐車場での人身事故。
二つ目は近隣住人のトラブル防止。
三つ目はお客様への満足度。
一つ目・二つ目はなんとなくわかる。
三つ目のお客様への満足度とは、美味しい食事や買い物ではないのか?
三橋さん曰く、店に入るまでのイライラ感は後々まで響くし、買い物・食事後に気持ちよく店を出たまではいいが、駐車場でモタモタすれば、気持ちが半減するから機敏に動く駐車場の警備員は必要である――と、言うことらしい。
新規契約のオーナーさんは事故も然ることながら、お店の評判を気にする。いくら、味に自信があっても、駐車場トラブルでイメージが悪くなっては意味をなさない。
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