70人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
ホテル手前の交差点での信号待ちの時。
『実はこれからお見合いで……』
そう言っていたので、少しだけ期待をしてしまった。
只の偶然なのに、その一瞬の高揚を良い歳をしてと浅はかな自分を恥じた。
名も知らないというのに、その人を知ったつもりになって勝手に親近感を持ってしまった。
彼のお見合い相手はどんな人なのだろう。
きっと彼ならその相手を幸せにする事だろう。
良いなぁ。
別れ際、ホテルの窓に反射した彼の横顔が見えた。
最初のコメントを投稿しよう!