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姉の上着を少しだけ捲ってみれば、引き締まったお腹が露わになる。
何故かここは時間が止まっていない事に、「ゲームのかみさま」の悪意が感じられる。
姉は結構美人で、スタイルも良く、ボーイフレンドが途切れる事はない。
別に良いじゃないか、好き放題しても――と考えない男子高校生が、
この世に居るとは思えない。
一線を越えかけた事は何度もあった。だが、結局は寸前で思い留まり続けた。
実の姉なのだからという理性は確かにある。
しかしやはり怖いのは、手をかけた瞬間に、時間が元に戻りはしないかという事だった。
「ゲームのかみさま」にゲーマーとして見限られ、
人として色々と抹殺されかねないと思ったのだ。
ただ、それで時間が戻るならいっそ――とも考えたが、
結局やったのは、時々正面から抱きついてみる、本当にそれだけだった。
最後のストッパーとなったのは、ゲーマーとしての矜持だった。
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