8月109531日

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この夏休みは、僕が高校2年生の時に始まった。 充実した引きこもりゲーマー生活を存分に満喫しようと思い、 夏休み開始までに、大量のゲームを買い込んでいた。 日雇いのバイトでコツコツと溜めた貯金をはたき、我ながら酔狂と思うほど買い漁った。 そのせいで、たかだか40日程度では満足に消化しきれなかった。 ゲームは未プレイのものだけで100本以上は積んでいた。 1本を徹底的に遊び尽くそうと思えば、最低でも15日はかかるものを、 夏休みだけで終わらせられるはずもない。 結局10本ほどのゲームのエンディングを1回ずつ見れただけだった。 自分のキャパシティを上回る買い漁りは、僕の悪い癖だと反省していた。 40日あまりの殆どの時間を自室で過ごし、 仙人の如くストイックにゲームをし続けていた僕は、 遂に迎えてしまった8月31日のお昼頃、こんな事を思っていた。 「このまま永遠に夏休みが終わらなければいいのに」 別に特別危険な思考だとは思わない。遊びたい盛りの10代なのだから、 誰だって一度はこんな事を考えるだろう。 このまま夏休みが終わらなければ、溜まったゲームやら何やら全て消化できるし、 あの煩わしい人間関係に巻き込まれる、学校に行かなくて済むのだから。
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