0人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな事を考えながら、僕はトイレから出て自室に向かい、
途中で、露出の多いラフな格好をした姉と無言ですれ違い、自室に入ってドアを閉めた。
大学生の姉は、僕とはまるで生態系の違う人種で、
毎日流行りのファッションで着飾っては、仲の良い男女グループと一緒に、
旅行なり海水浴なりで遊び呆け、リアルを充実させているようだった。
当然僕とは折り合いも悪く、最近は大した会話もしない仲となっていた。
学校でもそうだが、他人と群れなければ楽しめないし、生きていけない連中を、
僕は内心見下してもいたし、無理して関わる必要も無いと思っていた。
そして家族に対してさえ、僕は同様の想いを抱いていた。
自室に戻ると、そのままずっとゲームをして過ごした。
夕方の7時を回った頃、晩御飯ができたと、母が僕を呼ぶ声がした。
僕は適当な所でゲームを中断し、自室を出てリビングに向かおうとドアノブに手をかけた。
最初のコメントを投稿しよう!