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僕は今日「人」ではなくなった。
そう一言だけ書いたのは、8月32日の日記だ。
それから37日までは、早く出たいとか、早く動けとか、そんな殴り書きしか残っていない。
この時に自分が何をどう考えて時間を過ごしていたか、よく覚えていない。
狂乱して自身を傷付けるような事だけは防ぎたかったので、
この非現実を、現実と受け止められるよう、必死になって自分を落ち着かせていたと思う。
そして8月38日、僕は意を決したように、こう書き記していた。
ゲームをしよう
これは、僕がいつ終わるとも分からない夏休みを生き抜く為の、サバイバル戦略だった。
確かに今の僕は、何をしても死ぬ事が無さそうな身体になっている。
だが、このまま何もせずに「存在しているだけ」になってしまえば、
それは「人としての死」を意味すると考えた。
僕が人である事を止めず、人として生存していくには、
何か僕にとって意味のある事をし続ける必要があると思ったのだ。
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