8月109531日

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そんなゲーム生活を続けていくうち、またある事に気付いた。 この部屋には、何故かいつまでも電気が通り続けている。 発電所の仕組みがどうなっているのかは知らないが、 普通に考えれば、この部屋以外の世界全ての時間が静止しているなら、 必然的に電気も来なくなりそうなものだ。 だが相変わらずテレビやゲーム機やPCは動くし、照明は点くし、スマホも充電し続けられる。 ただしインターネットには、何を使っても繋げられなかった。 なので新しいゲームをダウンロード購入する事は出来ないし、 サーバーに接続する必要のあるスマホゲームは、全て遊べなくなっていた。 その事に気付いてから、僕は今のこの状況に、ある一定の「ルール」の存在を感じていた。 僕の部屋の外側だけで世界の時間が静止し、 死なない身体となって、電気だけは通っている。 これはまるで、僕が「時間を忘れてゲームを遊び続けられる」ように、 何者かに設定されたルールのようだ。 それが錯覚でないと分かったのは、8月53日、1本目のゲームを遊び尽くした時だった。 1本のRPGを計318時間、考えられる全ての要素を消化し尽くし、 最後の仕上げに最高難度設定を縛りプレイでクリアし、エンディングを迎えたのだ。 ネットに繋がらないので、攻略サイトを見る事もできない。なので全てを自分で攻略した。 ゲーマーだと自負していた自分も、かつてここまで1本のゲームをやり込んだ事はなかった。 達成感とともに、自分が「生きている」という実感を得られた。 こんな生活を続けていられるなら、まんざら悪くはないかも、 そんな想いを抱きながら、エンディングを眺めていた、その時だった。
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