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ゲームクリア おめでとう
ぼくは ゲームの かみさまです
きみの ねがいを かなえて
さいこうの ゲームかんきょうを よういしました
たのしんで くださいね
このゲームは 1ほんめの クリアです
ぜんぶ クリアしたら ごほうびを あげます
がんばって くださいね
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正規のゲームエンディングが終了した直後、
黒地に白文字の、レトロゲーム風の画面で、こう表示されたのだ。
僕は驚きと恐怖で、大声を上げてしまった。
思わず画面から目を背け、膝をかかえてガクガクと震え続けた。
やはり、この状況にルールは存在し、何者かの意志の介入があった。
今まさに、それが証明されたのだ。
それだけではない、この状況は元々僕が望んでいた事だったのだ。
「このまま永遠に夏休みが終わらなければいいのに」
そんな子供染みた願いを、この「ゲームのかみさま」なる
馬鹿馬鹿しい存在が、おせっかいにも叶えてしまったのだ。
確かに僕は「永遠」を望んだが、それがこれ程に恐ろしい事だとは思わなかった。
たとえ今持っているゲームを1億回ずつ遊び尽くしたとしても、
「永遠」はまだ始まったばかりに過ぎないのだ。
僕は「永遠」にこの部屋から出られないかも知れない。
そう考えて、僕は圧倒的な絶望に飲み込まれそうになった。
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