6人が本棚に入れています
本棚に追加
「急いで病院だな」康平が言う。
いや、待て、こうゆう時は神社か寺じゃないのか?
「ちょっと待て、康平、病院で何とかなんのか? 寺か神社に...... 」
康平は俺の胸ぐらを掴み、
「何言ってんだお前、慶太の目ぇ見ただろが! 病院だろ普通!」
俺も康平の胸ぐらを掴む、
「お前だって洞窟で化け物見ただろが! 慶太の目は病気じゃねえだろ! あの化け物がなんかしたんだよ!」
睨み合うふたり。
「お前らうるさい、康平、俺もよく分からないけど、神社のほうが良いような気がする」
「まあ、お前が言うんなら......」と康平は手を離した。
直ぐに電話ボックスを探し電話帳で神社を調べる。
ここからそう遠くない場所にひとつある。俺達は直ぐに向かった。
神社に着くと、模様の入った袴をはいた男が竹箒で掃き掃除している。
「すいませーん!」大きく声をかけ近づく、30代位だろうか、男は俺達を見るや否や、眼を見開いた。
「おいおい、凄いのを連れてきたな......」男の第一声はそれだった。
男は「こっちへ」と一言だけ言うと、中へと率いれた。
「キヨさん! キヨさーん!」男が呼ぶと奥から巫女姿の年配の女性が現れる。
「このふたりを頼む」男はそう言うと、慶太だけ連れて奥に行ってしまった。
俺と康平は女性に連れられ、拝殿だっけ? そこで待ってなさいと、キヨさんは冷たい麦茶をいれてくれた。
俺は......なんだろ、なんとかなるんじゃないかと安心したのか、その場で泣いてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!