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 そういった理由から俺達はなんの躊躇もなく、緋目山に入っていった。  30分程歩いて感じた事は、其処らの山と変わらないって事だ。  まったく新鮮味のない山道を黙々と歩く、滝壺と洞窟は必ず見てやると、その思いだけで歩みを進めた。 「おい、あれっ」と康平が指差す先に川が見えた。  そのまま川沿いを上流に歩き暫くすると、ドドドドッと水が落ちる音が聞こえ、自然と足が速まる。  勾配が激しくなってきた石の斜面を、両手も使って登って行くと、前方に滝が見えた。 テンションは上がるが、足を滑らさないよう慎重に進んだ。  なかなかの絶景だった。滝は落差15メートル位だろうか、滝壺も水が透き通り綺麗で大きく、充分泳げる。  ここだけは他の山にはない魅力があった。  後ろを振り返ると、すでにパンツ一丁の慶太が体をほぐしていた。 「お先!」と慶太は滝壺に飛び込む、俺達も急いで服を脱ぎ、慶太に続いた。  ひとしきり泳いだ後、服を着替え大岩の上でおやつタイム。 「しかし、結構人が来ているんだなここ」  今は誰もいないが、ゴミが結構落ちていた。スナック菓子の袋、ビールの空き缶、火を焚いた後なんかもある。 「まあ、大人の言い付け守るのも小学生まで位だろ、実際俺らも来てるんだし、それより、洞窟ってあれだよな」康平は流れ落ちる滝の裏側を指差した。 「だろうな、他に見当たらないし」俺はポテチの袋に直接口をつけ、がーと流し、立ち上がる。
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