2.青年は少女の異端を犯す

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「寝るなよ」 「んぅ」 腰を揺すり、下着に包まれたままの乳房を揉む。 「ひあっ、マコ、トくん、そこ…」 「どこだよ」 小刻みに腰を縦に揺らす。単調な動きだが、宇津木はよだれを垂らしながら、びくびく震えた。 「奥まで突っ込んでやろうか」 「やだぁ、痛い…」 「あ? 好きだろ、そういうの」 「やっ…!」 繋がったまま、マコトは床を蹴って宇津木を押し倒した。 マコトは宇津木の膝を自分の肩に掛け、自分は殆ど動かず、大きな手で宇津木の体をつかんで何度も腰を打ち付けた。 「ひゃぅぅ……!」 悲鳴のようなあえぎ声が、ぬるい室内に響く。 金髪からしたたりおちる汗が、宇津木の胸や腹を濡らす。 「いっ、いい゛、あぁ…!」 喉を痛めそうな、声。 夕焼けの残骸が、殆ど闇に飲み込まれながら窓から差し込んでくる。 それに照らされる宇津木の目に、泪の膜が張っている。 無意識に、マコトはその瞼を親指の腹で擦っていた。 揺さぶられる宇津木の姿がだんだんと滲み、黒いシミが視界の端に入り込んで稲妻のようにときどき光る……。 「う、つぎ、なあっ、そろそろ…………」 開いた口から出てくる言葉に、意味なんて無い。 激しく胎内を抉られ、喘ぎ狂う宇津木にマコトの声は聞こえない。 下唇を噛み締めすぎて、血の味がした。獣みたいなうなり声が喉から出てくるのを必死に止める。 ぐにゃ、と半分になった視界が歪む。 そろそろ――の、後に言葉は続けられなかった。 宇津木の内(なか)がキュウッと締まったからだ。 「いっ、ああああっ、いっちゃ、っ、あーーーっ………」 ドクン、と跳ねたのは、自分の心臓だろうか。 呆然とした心地で息を整えるうちに、だんだんと頭が冷えてマコトの視界は元通りになっていく。 ……自分は、何を彼女に言いたかったのだろう。 そろそろイク? 妥当だ。けれども本当は違う。 わかりきっている心のうちを再確認するのは拒み、床に仰向けになったまま虚ろに天を見る宇津木の乳房を握る。 「いあぅっ!」 「目ぇ覚めたか」 「意地悪……」 宇津木は一度うつ伏せになると、よろよろと体を起こし、立ち上がった。 白い液体が太ももから脹ら脛を流れ、畳に落ちる。 「おふろ」 あっさりと宇津木は言い、液体をぬぐいもせず、ふらふらと脱衣所の奥にある風呂場へ消えていった。
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