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「寝るなよ」
「んぅ」
腰を揺すり、下着に包まれたままの乳房を揉む。
「ひあっ、マコ、トくん、そこ…」
「どこだよ」
小刻みに腰を縦に揺らす。単調な動きだが、宇津木はよだれを垂らしながら、びくびく震えた。
「奥まで突っ込んでやろうか」
「やだぁ、痛い…」
「あ? 好きだろ、そういうの」
「やっ…!」
繋がったまま、マコトは床を蹴って宇津木を押し倒した。
マコトは宇津木の膝を自分の肩に掛け、自分は殆ど動かず、大きな手で宇津木の体をつかんで何度も腰を打ち付けた。
「ひゃぅぅ……!」
悲鳴のようなあえぎ声が、ぬるい室内に響く。
金髪からしたたりおちる汗が、宇津木の胸や腹を濡らす。
「いっ、いい゛、あぁ…!」
喉を痛めそうな、声。
夕焼けの残骸が、殆ど闇に飲み込まれながら窓から差し込んでくる。
それに照らされる宇津木の目に、泪の膜が張っている。
無意識に、マコトはその瞼を親指の腹で擦っていた。
揺さぶられる宇津木の姿がだんだんと滲み、黒いシミが視界の端に入り込んで稲妻のようにときどき光る……。
「う、つぎ、なあっ、そろそろ…………」
開いた口から出てくる言葉に、意味なんて無い。
激しく胎内を抉られ、喘ぎ狂う宇津木にマコトの声は聞こえない。
下唇を噛み締めすぎて、血の味がした。獣みたいなうなり声が喉から出てくるのを必死に止める。
ぐにゃ、と半分になった視界が歪む。
そろそろ――の、後に言葉は続けられなかった。
宇津木の内(なか)がキュウッと締まったからだ。
「いっ、ああああっ、いっちゃ、っ、あーーーっ………」
ドクン、と跳ねたのは、自分の心臓だろうか。
呆然とした心地で息を整えるうちに、だんだんと頭が冷えてマコトの視界は元通りになっていく。
……自分は、何を彼女に言いたかったのだろう。
そろそろイク? 妥当だ。けれども本当は違う。
わかりきっている心のうちを再確認するのは拒み、床に仰向けになったまま虚ろに天を見る宇津木の乳房を握る。
「いあぅっ!」
「目ぇ覚めたか」
「意地悪……」
宇津木は一度うつ伏せになると、よろよろと体を起こし、立ち上がった。
白い液体が太ももから脹ら脛を流れ、畳に落ちる。
「おふろ」
あっさりと宇津木は言い、液体をぬぐいもせず、ふらふらと脱衣所の奥にある風呂場へ消えていった。
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