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そして、醜い偽善者どもが幅を利かせる時代は過去のものになり、わざとらしく老人を労わるいやらしい行為も姿を消した。清掃ボランティアもなくなり街はゴミだらけになった。民意が反映された素晴らしい時代ってわけだ。
密室で私と年配のGメンのふたりが机を挟み向き合う形で事情徴収は行われた。
空調が私には暑すぎて汗が浮かんだのを見られたが、Gメンは空調を緩めようとはしなかった。相手を気遣うのは偽善と判断される恐れがあるからだ。その程度なら誰でもやっている軽犯罪として暗黙の了解で見逃されてはいるが、さすがに偽善Gメンが取調べ中にやるわけにはいかないのだろう。
「三日前の午後七時三十分ごろ、あなたは何をしていましたか」
やはり、あのことが密告されたようだ。
「そんな昔のことは忘れちまったな」
ボギーを気取ってニヤリと笑った私を睨みつけたGメンは、おもむろに書類ケースから一枚のディスクを取り出した。
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