第四章 士官候補試験

3/6
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「気をつけて行って来るのよ?」 「はい」 「それじゃあ、行ってらっしゃい」 「行って来ます」 皇都へと発ったのは、一時間程前の事だ。 「早速、ゴブリン登場だね。だけど……」 山道から街道に出た所で、ゴブリン数匹が近くにいる事を感知した。 僕は、‘気配遮断’で近付き、彼らが気付いた頃には首と胴体を離断させていた。彼らの一般人より多少高い程であるが、生命力及び能力と魔力を吸奪し、亡骸は放置した。 「さぁ、さっさと進もう」 僕は、街道を、皇都に向い、歩を進めた。道中、ゴブリンやコボルト、オークの群れに遭遇したが軽く討伐・力を吸奪した。 「今度はワイルドウルフか……」 狼の群れに遭遇したらしい。 「(一匹一匹相手するのは面倒だな……。“吸奪球・追尾”!)」 吸奪球……、生命力や魔力を吸奪する球である、しかも追尾型。それを群れの数分だけ創り出し、放った。一応、50個位迄は余裕で創り出し、自在に操作できるようになった、まだまだ訓練は必要だが。因みに、母さんは、エルフの血を引いている事もあり、魔力操作に優れる為、最高150個迄操作できるらしい。大賢者と呼ばれた人で、200個らしい。まあ、大事なのは、数と質を両立する事なんだ、僕が数と質を両立できるのは50個が限界という事だ、現在の所。 「ギャオン!」 「ギャーッ!」 球を避けた……と思っている(追尾型だから当たる迄追いかける)狼を斬りつける、その間に球が当たり吸奪する……。狼の動き自体、動体視力及び身体能力チートの僕にはスローモーションで見える。だから、避けるのは容易い。 数分後には狼の群れを討伐し終えた。 「(皇都迄は先が長いな……。だけど、これも訓練だ。軍に入ったら、こういう事も日常的になるだろうから、慣れておくのは必要な事だな)」 夕方、一つ目の宿場町に着いた。その間にも、魔物との戦闘が数回あった。 「よし、確認した。」 僕は、籍の証明カードを、門兵に見せ、町の中に入った。そして、宿に入った。他にも皇都を目指す士官候補試験受験生の宿泊客がいるらしいが、わざわざ声を掛ける必要も無かろう? 「今日は、初めての旅路で、気分的に疲れた……。さっさと寝て、明日に備えよう」 僕は、湯浴み、夕食を終え、日課のストレッチを終えると、早速、床に入り、目を閉じた……。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!