第四章 士官候補試験

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「さて……、今日も順調に旅路が進むと良いな……。って、これ、フラグ立ってしまうかも……?」 僕は、朝食を終え、身支度を整えると、早速出発した。次の街迄は一日半位掛かるみたいなので、今夜は野宿になりそうである。よって、野宿に良いポイント迄至る事が出来れば万々歳である。因みに、野宿の経験は前世では無かったが、グレンさんと何度か体験した事がある。 進む事二時間経過した所で、ゴブリンの群れと遭遇した。 「グギャー!」 「グギャギャッ!」 「はっ!」 僕は、ゴブリンが構えるのを待たずして、首と胴体を離断させた。 「“吸奪剣”!」 吸奪球の剣バージョンを出現させ、ゴブリンの心臓を貫き、力を吸奪する。 「面倒臭いな……。一々、吸奪剣を発動させるのは面倒だから、 ゲームの魔法剣みたいに、剣に魔法を纏わす事が出来たら良いよな……。やってみるか?」 僕は、グレンさんから貰った剣(母さんが入れた訓練用の木剣とは別物だ)に魔力を纏わせる。 「(“吸奪”!)」 剣から黒色の魔力の光りが出る。纏わせる事は出来たみたいである。実際に、吸奪の効果を発動しているかはわからないので、使ってみるしか無いな……。 「(“解除”!)」 魔法剣を解除した。 「(都合良過ぎるけど、これがチートというものだろうか? まあ、記にした所で、解りはしない事だが。さて……、進むかな)」 僕は、再び、歩を進めた。 「もう、暗くなって来たな……。そろそろ、この辺で今日は野宿だな」 陽が沈み始めたので、野宿の準備を始める。テントを設営し、魔物避けの魔石に魔力を通す。保存食の干し肉に火を通してかぶりつき、乾パンを齧り、水筒の水を飲んだ。美味しいという物ではないけど、仕方ない。 「(“防御壁”!)」 念の為、防御壁を張り、寝袋に入って目を閉じた。 「(ここ迄は順調に来ているな……。だけど、油断は禁物だ。グレンさんが、最近、魔物の出現が多くなっているとか、海の向うの帝国との緊張が高まっているらしいとか、話していたからな……。向うの帝国は、軍事国家で、略奪行為も平気でやるらしい。だけど、僕達、少なくとも、僕はそれを許さないし、自分の大切な人達、育った国を護るんだ! だから、その一手段として、僕は皇軍に入って貢献するんだ! とりあえず、皇都に無事着かないと、ね……)」 僕はそのまま眠りに就いた。
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