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「未来さん、男見る目ねぇっすねー」
にやにや笑いながら私の予想通りの答えをくださる憎たらしい後輩。
私が「ほら、試験勉強手伝ってやってるんだから、早く再会するよ」と机を叩くとあからさまに嫌な顔をした。
「なんだよ、未来さんが話脱線させたくせに」
「口答えしないのー」
「はいはい。ま、いい男がいたら俺がそのうち紹介しますから、婚活頑張ってくださーい」
「うるさい黙れ。手伝ってやらんぞ」
「はい、すんません」
後輩の左手の薬指に光る指輪を見て溜息が漏れる。
そうして私は今日も思うのだ。
ああ、好きな人、ほしいなぁ──。
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