恋愛オンチの恋事情

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店員さんも常連と化した私たちを微笑ましく眺めながら下がっていった。 「.....そういえば、あの店員さん、昔からいるけれど。わりと背が高くて痩せていて、しゅっとした顔しているよね」 「ああ、そうね。あんたの好きなバンドのメンバーにちょっと似てるね」 「確かに」 今まで意識していなかったけれど、よく見ると私好みの風貌をしている。 だからと言ってどうしたことはないのだけれど。 「ねぇ明日香ちゃん、どうしたら彼氏できるのかな」 「てか未来は本当に彼氏ほしいの? そんな感じが微塵もしない。本当に欲しけりゃ時間を言い訳にしない。自分から動いてるっしょ」 運ばれてきたビールをとても美味しそうに流し込みながら、座った目をした明日香ちゃんが人差し指を私に突きつけてそう言う。
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