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このナスカと親衛隊隊長であるミツキは訓練生時代の同期。しかも寮生活を同室で過ごしてきたという。本人は「親友」とその関係を公表していたが、周囲からは「自称親友」と笑いのネタにされていた。
ヤスミンの所属は近衛軍。その証が、胸に誇らしく輝く『銀の四つ山』。
これから配属される親衛隊も近衛軍だが、任務がまるで違う。中隊とはいわば戦闘部隊で、国最北にあるバガールの近衛軍基地で日夜訓練に明け暮れている。
なので、まず会うことがない。噂では「恐ろしい」と有名だ。
近衛軍はナスカやヤスミンが所属する「戦闘部隊」と、皇族警護を主とする「皇族近衛」に大きく分かれる。近衛軍に属する大半が前者で、後者は少数。いわばエリートだ。
皇族近衛の仕事は、文字通り皇族の警護。彼らの身の安全を確保し、そのために命を捧げることが使命だ。皇族が生活する聖域にも立ち入り、顔を合わせる近い場所で尊い命をお守りするのだから、当然ながら選抜された猛者が顔を揃えている。
親衛隊は、そのエリート中のエリート。警護対象は女帝。女帝付きの専任近衛兵だ。近衛の花形、選ばれし精鋭。国中の憧れ、人気者。近衛兵にとっては夢のまた夢。
つまり、ヤスミンは国家元首である女帝陛下の警護につくということ。
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