9/12
前へ
/218ページ
次へ
「あっ、こらっ残すな!」 「皿洗えー、この馬鹿!」 「勝手にきて、勝手に食べて、文句だけ言って帰るってホントしょうもないなー」 「全くだ、なんかしんないけどあいつも成績いいんでしょ? 成績いい=頭いいは違うって思わせてくれる見本みたいなやつだよね」 南と牧の悪口の大合唱。つい、 「ごめん」 と謝ってしまった。二人が同じタイミングで、すっごい怒った顔で、 「だから、なんでヒナが謝るの!」 と叫んだ。 「あ、いや、まあ……」 それもそうなんだけど……、島田とは幼稚園から一緒の幼馴染で。その後も同じ小学校、中学校、高校と進み。そして今は同じクラス。 「なんか、付き合いが長すぎて、もはやしょうもない、従妹みたいな気分になってるのかも。なんか甥っ子とか? うん、そういう感じ」  島田は昔から気分屋で理屈っぽくってワガママで。……そんで正直だ。 ぷっと、南がふき出した。 「甥っ子!! ウケる~。たしかに島田、甥っ子感半端ないわ!」 「幼稚だもんね、アイツ。なにもっかもが!」 牧も同意して二人で、ケラケラ笑い出す。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!

468人が本棚に入れています
本棚に追加