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第三話 再見
水曜日までにコラムの構成を練って、サヤカが取材をしてきた内容をチェックして、なんとか編集長のOKをもらい第一回目の連載コラムが完成した。
怒涛の一週間が過ぎ、気がつけば金曜日の夜になっていた。
会社を出るとすっかり暗くなっていたが、明日は休みなので、何となく気持ちが明るい。
今日も、いるかな。
飲み会など外食の予定がない場合は、帰りに総菜屋などで夕飯を買い帰宅する。
コンビニに行くのは夜中になってから。
何となく習慣になっていて、夜中にならないと行く気がしないのだ。
家に帰って部屋着に着替えてメイクを落とす。
疲れていると動作はゆっくりになるのに、時間が経つのは急激に早い気がする。
特に何をしてた訳でもないのに、時計を見ると随分時間が経っていた。
そろそろコンビニに行こうかと思い、コインケースを取ってパンツのポケットに入れる。
コンビニに入ると、いつも通りすぐ左に曲がる。
あの男がいないかどうか店内を見回したが、見当たらなかった。
今日は、いないのか。
少しがっかりしているのが自分でもわかる。
別にコンビニに来れば会える訳じゃないんだけど。
そんな言い訳を考えながら、適当に目の前にあるファッション誌を手に取る。
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