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「……そうです。GaLAを担当している坂本と申します。」
「……ワタシはフジモトっていいます。もう知ってると思いますけど。」
そう言うと彼はぺこっと頭を下げた。
改めて思うが、企画書通りこの人の顔だけ見たら今風のルックスだが 着ている物と性格が古風でチグハグな感じだ。
話し方も間の取り方も雰囲気も独特で、見ていて飽きない。
ただ、恋愛感情が湧くかと言ったら微妙なところ。
掴みどころがないというか、本当に今の時代の人間なのだろうかというくらい、話していて違和感があるから。
「再来週あたり、お店に伺いますのでよろしくお願いします。」
「へぇ。サカモトさんもいらっしゃるんですか?」
「私と電話をした美崎という担当の者で伺います。」
「……はぁ、何かわかりませんねぇ。」
「え?何がですか。」
「寝巻姿のサカモトさんとしか会った事ないすから。」
そうだ、自分が部屋着にすっぴんメガネという事を忘れていた。
こんな格好で仕事の話をしているなんて、恥ずかしい事この上ない。
結構話していた事を考えると、一気に顔が赤くなるのがわかる。
「すんません。何か、困らせちゃったみたいで。」
「えっいや、大丈夫です……。」
「おねえさん、お化粧とかしたらまた違うんでしょうね。」
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