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「……最後に、読者の方々にお店のアピールとか、メッセージがありましたらよろしくお願いします。」
「…そうすねぇ。今はパソコンとかネットで本とか読めると思うんすけど、やっぱりちゃんと紙の本を読んでほしいすね。本は大事にしてもらえれば手元に形としてずっと残りますから。」
へぇ……結構ちゃんとしてるんだ。
若いし、掴みどころのない雰囲気だけど、意外としっかりした考えを持っているんだなと私は心の中で思った。
「ありがとうございました。藤本さんへの質問は以上なんですけど、お店の中も一通り見たいので、あと少しお付き合いください。」
「へぇ、わかりました。」
階段を下りて、取り扱っている本やオススメの本などを聞いて店の中を周った。
するとレジのほうからジリリリリンッと大きな音がした。
「すんません。電話出てきても良いですか。」
「えっ、どうぞどうぞ。」
藤本さんはあの癖のある小走りでレジの方に向かっていった。
「……本当おもしろいよね。今までに見たことないタイプっていうか……。」
サヤカが興味津々な顔で藤本さんを見る。
「そうね。確かに現代人って感じはしないわね。」
「……ちょっとツボかも。」
それってちょっと気になるってこと?って聞きたかったが、そこで藤本さんが戻ってきてしまったので聞けなくなってしまった。
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