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そう言うと、藤本さんはいつもみたいにニッっと軽く笑って引き戸を閉めた。
少しドキっとした。
またって、コンビニでって事?
一瞬色々考えてしまう。
この前の自分に訂正。
これは多分恋じゃないなんて言ったけど、これは……多分恋だ。
長い間恋愛をしていなかったから、『興味』と『気になる』が一緒になってしまっていたのかもしれない。
ただ、恋だと分かったと同時に少し打ちのめされた感覚になる。
可愛い小動物系な女と、サバサバしてて料理もロクに出来ない女。
男だったらどっちが良いか。
聞かなくてもわかる事だ。
会社に戻ると、サヤカは興奮気味で藤本さんの話を他の女性社員に話していた。
私も彼女みたいに大体的に周りに言えたら良いんだろうけど。
カワイイって得だな。
ひがんでも仕方がないとは思うけど、サヤカが時々羨ましいと思う。
考えないようにしよう。仕事だ仕事。
そうだ、明日は休みだし、久しぶりに外で飲んで帰ろう。
私は編集長を捕まえることにした。
「カイ編集長ー。今日お時間あります?」
「え?何?良いネタ持ってきたの?」
「え、違いますけど、飲みいきません?」
「良いけど、私の事潰さないでよ。明日午前中から予定が入ってるんだから。」
「ありがとうございます!」
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