第五話 藤本書店ー其の二ー

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そう言うと、藤本さんはいつもみたいにニッっと軽く笑って引き戸を閉めた。 少しドキっとした。 またって、コンビニでって事? 一瞬色々考えてしまう。 この前の自分に訂正。 これは多分恋じゃないなんて言ったけど、これは……多分恋だ。 長い間恋愛をしていなかったから、『興味』と『気になる』が一緒になってしまっていたのかもしれない。 ただ、恋だと分かったと同時に少し打ちのめされた感覚になる。 可愛い小動物系な女と、サバサバしてて料理もロクに出来ない女。 男だったらどっちが良いか。 聞かなくてもわかる事だ。 会社に戻ると、サヤカは興奮気味で藤本さんの話を他の女性社員に話していた。 私も彼女みたいに大体的に周りに言えたら良いんだろうけど。 カワイイって得だな。 ひがんでも仕方がないとは思うけど、サヤカが時々羨ましいと思う。 考えないようにしよう。仕事だ仕事。 そうだ、明日は休みだし、久しぶりに外で飲んで帰ろう。 私は編集長を捕まえることにした。 「カイ編集長ー。今日お時間あります?」 「え?何?良いネタ持ってきたの?」 「え、違いますけど、飲みいきません?」 「良いけど、私の事潰さないでよ。明日午前中から予定が入ってるんだから。」 「ありがとうございます!」     
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