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「……ちょっとは酔い、覚めました?」
「……はい、何だか恥ずかしいところをみられてしまって。」
「全然。おもしろかったす。」
おもしろい?そっちの方が恥ずかしいわよ。
「いつもサカモトさんはおもしろいす。色々で。」
「え?何がですか?」
「コンビニで会った時と、うちの店で会った時で全く違う感じでした。今日もちょっと違う感じがするし。」
……いろいろか。
確かに色々自分をつくっているのかもしれない。
現代人は状況によっていろんな性格を使い分けていると思う。
だけど、藤本さんは全く使い分けていない。
誰に対しても同じ、というか。
「……そうですか。藤本さんはいつも誰にでも訳隔てないですよね。羨ましいです。」
「そうすかねぇ。そんな事もないと思うんすけど。」
そう言うと頭をかいた。
頭をかくのが癖なのかもしれない。
猫ッ毛の髪が揺れる。
「そういえば、こんな時間に何されてたんですか?」
「え?あぁ、散歩す。春の夜風が気持ち良いんで。」
「散歩?藤本さんのお家から結構距離あると思うんですけど……。」
「裏道があるんすよ。最近見つけたんす。」
「あ、それであのコンビニにも?」
「そうすね。どんな感じのところかなと。」
「どんな感じのところ?」
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